「みんなで生きていく島本・高槻」10の提案
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吉本そうぞう、すえおか友行の ◯政策方針「10の提案」◯から抜粋して詳しく説明します。

◯JR萩之庄新駅の開発について

JR島本駅とJR高槻駅の中間地点の農地に萩之庄新駅計画が持ち上がっています。

東京ドーム8個分、38ha(大部分は農地)が開発候補地となっており、高槻市は高層マンションや物流倉庫基地になることが想定され数千人規模の市街地化が計画されています。このような大規模な開発計画によって防災面や水源涵養、食料自給などに重要な役割を果たしている農地を無くしてしまっていいのか、地域の住民など幅広い当事者と対話を始める必要があります。

このまま計画が進んでしまえば、高槻市の財政からも100億近い支出がされることなり、将来の世代にどのようなまちを残したらいいのかを市民全体で議論すべき問題です。

●枚方第2大橋について

前島の枚方大橋は大阪府負担が120億以上あり、現在ある枚方大橋からすぐの立地に第二の淀川大橋が必要が再検討すべきです。現在の計画のままだと前島地区が2つに分断されてしまい、地域の生活が大きく脅かされてしまいます。50年以上前から続く公共事業の計画をそのまま実行するのでなく、時代に合わせてもう一度考え直すことが必要です。

◯富田小・赤大路小・四中の小中一貫校計画

小中一貫校を四中地区をモデルケースとして全市に広げていく計画を高槻市はしています。小中一貫校は大規模校になってしまい、子供一人あたりの面積が減ってしまうことで、過密な状況が生まれます。また小学校・中学校の掛け持ちの教員が配置され、教員数が減ってしまう可能性があります。それぞれの学校の歴史的に培って来た教育実践のよさを残しながら、規模の小さな分散型の各学校の特色のある教育活動が行われることが望ましいと考えます。

また小中学校は避難所機能を担っており、小中学校を減らすと地域の防災拠点が減ってしまいます。富田・赤大路地域は丘陵地域にあり、水害や地震に比較的強く、高槻東部地域の防災拠点機能として小中学校を存続し、施設の長寿命化するために補修すべきだと考えます。

●デジタル民主主義と住民の直接参加について

フリーオープンソースでバルセロナで開発されたDECIDIM( https://decidim.org/ja/ )を導入して、デジタルプラットフォーム上で住民同士が繋がりプロジェクトを実施できるようにします。オンライン上で繋がりながら、オフラインの集まりが開けるような場所を提供するなどの支援を行い、住民活動が活発におこなえるようにします。兵庫県の加古川市はDECIDIMを採用した市民プラットフォーム(https://kakogawa.diycities.jp/)の運用をおこなっています。

また高槻市民3万人アンケートを取り、高槻のまちの将来像を市民が描きながら、行政に反映できるようにします。

◯参加型予算

小学校区単位で地域の話し合いで予算が自由に決められる参加型予算枠を作ります。市の職員が地域の話し合いのファシリティターとしてはいり、地域の将来像をどうしていくかも同時に考えていきます。東京都の杉並区は2025年に参加型予算を本格的実施することを表明しています。(https://www.tokyo-np.co.jp/article/228590

●歴史・環境学習

島本・高槻には北摂連山の山々から淀川を始めとした、川辺の生態系まで、水と緑の豊かな自然環境があり、まちなかにも田畑が点在し山手には里山があり、古代からの歴史遺跡や寺社仏閣など地域の歴史も豊富です。その歴史・地理を生かした体験型学習をもっと増やす必要があります。

◯教育

大阪府は国基準の40人学級(小1、2は除く)から独自の加配していません。このような自治体は関西で大阪府だけです。京都府では小学校で概ね30人学級、中学校で35人以下学級を導入しています。奈良県は小中で30人以下学級を実現しているなど都道府県で取り組みに大きな差が出ています。高槻市は小中学校で35人学級を実施していますが、大阪府や高槻市・島本町など自治体独自の加配を積み上げて、国基準を上回る独自の少人数学級を行うべきです。

●市民大学

イギリスのトットナムのシューマッハカレッジなど各地である、自分の手で自給するための技術や知識をまなんでいく市民学校をモデルにした「市民大学」を創ります。実際に食・農のための田畑、手作りのための工房があり実践的に自分たちで循環型の生活を行うための体験型の短期コース、1年の長期コース、休日コース、夜間コースなどを設けるなどだれもが参加できる仕組みづくりを目指します

◯公立フリースクール

公立のフリースクールとしては兵庫県立神出学園(https://www.kande-gakuen.jp/)があります。

独自の条例を作って、学校学習農園や自然環境をフィールドとして活用する公立フリースクールを創設する。また愛知県のように学校内にフリースクールを作って、不登校の生徒などが通えるなど多様な公立のフリースクールの形を模索します。

またフリースクールに通学している生徒への公費負担を導入し、私費で通っているこどもたちへの支援も行います。

●府立高校改革

府立高校を5年で9校廃止する計画を撤回します。現在の府立高校は少人数教育校として存続する。大阪府立生野高校は午前、午後、夜間の3部生の単位制高校です。生野高校のような生徒が独自で授業を選べて、転入学しやすいクリエイティブスクールを増やしていきます。また普通科高校を総合学科や単位制高校に転換して、授業の選べる府立高校も増やしていくことで、今の時代にあった多様性教育を実現します。

◯移動

市バスをターミナル駅に向かうバスだけでなく、生活路線のバスも充実するだけでなく、小回りの効く路地に入れ、地域を周遊するコミュニティー交通を導入、増やしていきます。予約を事前にして地域で乗り合いをする送迎車など多様な交通を取り入れて、高齢化社会の中で、どの地域で住み続けながら足を確保できる体制を作る。料金体系も高齢者や障がいや子育て世代、若者などがあらゆる住民が使いやすくします。

現在気候変動対策や社会政策を進めるために、移動の無料化・定額制を海外の都市が積極的に取り入れています。

ー以下海外の事例

ニューヨーク、ソウル・釜山ではバスの乗り換えが無料化されている。スコットランドは22歳未満の運賃の無料化を実施している。またロサンゼルスは学生の運賃は無料化である。バルセロナは自家用車を廃棄すると3年間香料交通が無料化するチケットを配布する事業を始めている。

オーストリアは国中の公共交通が1日270円〜400円で乗り放題になる年間パスを発売している。

カーシェア・乗り合い・自転車駐輪

自家用車のカーシェアや乗り合いを大分市などの地方都市駅前では無料駐輪場を多数整備することで、誰もが自転車交通をしやすいまちづくりをしている。無料駐輪場を設置するとともに、チャイルドシートがある子育て世代の自転車が優先的に駐輪できるエリアを作り、脱モータリゼーションをすすめます。

●循環

竹パウダーによる生ゴミの堆肥化事業で地産地消の野菜づくり

生ゴミや庭木は家庭ゴミの30%を占めていてほとんどが水分です。ゴミ焼却の時に重油や灯油をいれて焼却して、焼却炉に大きな負担をかけてCO2を排出しています。一方で島本・高槻では放置された竹林が問題になっています。放置した竹林が増えれば地すべりの可能性を増加させます。

伐採した竹を粉砕した竹パウダーは、生ゴミなどから堆肥化を促進させる優良な資材です。炭素の比率も高く、生ゴミの水分を吸収し、生息している乳酸菌をが大量に存在するため、堆肥化づくりに活用できるものです。竹パウダーによる生ゴミの堆肥化事業は放置竹林を改善し、生ゴミを減らし、堆肥を作ることができる一石三鳥です。そして島本・高槻の家庭菜園や地場野菜を作る農地に入れることで、地産地消の減農薬野菜作りに役立てることができます。

◯再生エネルギー

各家庭・マンションなどで設置できる小規模で修理できる再生可能エネルギーを推進する。ヨーロッパのドイツのヴォルフォーゲンやスペインのカディス、イギリスのプリマスのように住民と地方自治体が出資する協同組合による再生可能エネルギーの普及を目指す。(https://maga9.jp/211215-2/

ゼロウェストセンターを作った徳島県上勝町のようにゴミ焼却を極力減らすように多品目の分別回収をすすめていく。 (https://why-kamikatsu.jp/

そのほかにも中古品の修理や家庭内で使わなくなた物やフードロス食品の集めて、必要な人に渡すことのできる「地域循環センター」を設置する。その地域循環センターには工房機能を確保して手作り品を自分で作ることができる道具や施設を併設する。

●緑の防災

ー地下水

地下水は近隣の森林や農地から雨水が染み込み、土壌に浸透して水源が涵養されています。これまで企業が独自の井戸から業務用水を無料で汲み上げて来ましたが、森林や都市農地の維持のために独自の負担を求める制度が広がっています。

長岡京市では条例を作って地下水利用している企業に森林保全などの水源維持のために水資源対策基金への支出を求めています。

http://nagaokakyo-mizushigen.com/

また熊本市は74万人都市にも関わらず、水道水が100%地下水でまかなっています。冬に水田に水を張って水源を涵養するなどの取り組みを行なっています。

https://www.city.kumamoto.jp/kankyo/hpkiji/pub/Detail.aspx?c_id=5&id=20463

島本・高槻でも地下水利用企業に協力金を求めることで、森林や都市農地を保全し、もっと地下水を作り出し飲み水として利用し、水害をふせぐためにつかうことができます。

ー森林

島本、そして高槻市の約半分を占めている森林が、2018年の台風21号によって風倒木として倒れました。高槻市域は、613haが倒れ、激甚災害に指定されて国と大阪府の補助事業が5年に渡って行われていますが、まだ復旧が完全に行われていません。そして、島本町はほとんど風倒木の復旧が行われていない状態であり、これからも継続的な復旧を行う必要があります。また復旧に渡っては水を吸収する土壌を作る広葉樹のどんぐりを植樹し水源涵養の森を増やしていくことを目指していきます。

◯都市農園

高槻市の市民アンケートでは50%以上の市民が市民農園を利用したいと答えていますが、実際に農園を利用できている市民は5%にしかすぎません。

横浜市のように市民農園や学校体験農園、栽培収穫ファームの開設に助成し積極的に増やす政策を行うことで(https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/machizukuri-kankyo/nochi/annai/nouen/nouenkaisetsu.files/0009_20211108.pdf)誰もが農や土に触れ合うことができる、都市農地の保全と地域内自給率の向上を推進します。

また減農薬の地元食材を保育園や学校給食に積極的に採用し、地場の農産物と子供達が積極的に接する機会を作ることで、食育から地産地消を実現していきます。

●補修

公共施設をスクラップアンドビルドすると、公共施設の面積や数が減らされてしまい、地域に学校やコミュニティーセンターなどがなくなってしまいます。少子高齢化が進む中で、将来の世代への借金をして新しい建物に建て替えするのが難しくなることが想定され、公共施設をできるだけ長く使うために、施設の長寿命化が必要になります。コンクリートの状態を診断し、適切な補修をすれば長く使い続けることができます。また新規に建物を建てる場合は将来修して長く使える設計を目指します。また今のうちに公共施設の補修を積極的に行うことで、補修技術を20年後、30年後の地場産業になるよう振興します。

◯めぐる発酵経済

ー地域のお店の支援

歩いて通える地域のお店は、交流の場所や住民の暮らしの一部でもあり、生活を豊かにする役割を果たしています。地域の中でなじみのお店がなくならないような仕組みづくりとして、地域通貨を活用して、地域内で循環が生まれたり、固定資産税の減免による家賃支援などが考えられます。