A 高槻の行政のアンケートなどを読むと市の良さとして「自然」を挙げる人が多いです。高槻市の北側は北摂連山はあり、豊かな水源林となっている。山間から流れる芥川の豊かな水の生態系や、淀川の河川敷に広がる鵜殿ヨシ原、また町中にまだまだ農地が残っていて、家庭菜園も活発に行われている、そういう良さがあります。それから「はにたん」のように親しみぶかい歴史もある。

 それから、高槻市は大きく、多様な地域、多様な人がいるということも、訪問看護をしていて思うことです。そういう違いを受け入れる町というか。病院や福祉施設の数が多く、医療福祉の先進的な取り組みもされてきました。

 さて、そんな高槻市を今後、どのようにしていきたいかということですが、コロナ感染症の期間、多くの被害を実際に現場で目にする中、資源がたくさんあるのに、市民と有効につながり、出会えていないのではないかと感じました。市民同士の、そして市民と高槻にいまある多様な資源とのつながりをつくり、回復させたい。そして、今経済的に困窮している、あるいは地域で孤立して、生活に困っている人たち、高齢者や障がい者など暮らしづらさがある人など、誰一人とりこぼされることのない、みんなが生きていける、みんなで生きていける町にしたい。そして、私は三人の男の子の親ですので、強く思うのは自分の子に限らず、子どもたちが将来ずっとこの町で、安全に、安心して、暮らしていけるようにしたいということです。

 萩之庄っていう地区、田んぼが広がっていて山がある地区に、今、J R新駅を作っています。これ、J Rも7500人の乗客数がないと駅作らないと言っているんです。市のプランによると、高層マンション群が駅前に立ち並ぶことになっています。人口減っている中で、このような駅作って、また高層ビル群を作るっていう町づくり。またこの地区さらに枚方第二大橋の計画があります。これも地域住民の皆さん、非常に反対されてまして。実際今、第二名神の出口ができて、交通渋滞で、非常に不便な状態になっているんですけれども。さらに大橋作って、物流倉庫が立ち並べる、多額の税金を使って、自然をなくし、物流トラックのためのインフラを整えている。果たしてこのような町づくりが子どもたちの将来のためになるのでしょうか。高層マンションや物流倉庫ができると、一時的には税収が上がります。しかし、未曽有の少子化が進む今、いつか維持が困難になれば、むしろ子供たちにインフラ維持の重荷を残すことになります。

 このような町づくりの仕方は戦後経済が右肩上がりの時代のやり方でした。けれども今は世界的な人口増による、食料、エネルギー、水資源の不足が心配されています。ウクライナ―ロシア戦争による物価高で、そういう世界の問題が暮らしに直接かかわることは皆が実感していることだと思います。このような資源の取り合いが国際的に激化すれば、さらに戦争が増えることも考えられます。私が政治にかかわる動機の根っこところでは、自分の子供も、誰の子供も、戦争に行かせたくないという思いがあります。